「スパイクは何才から履くか?」 子供の足の発達から考える

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今日は「サッカーシューズ、」についてです。

 「ジュニアのスパイクはいつから履いたらいいの?」

この疑問、お母さん達からよく聞かれます。

この質問に対して子供の足の発達をふまえて検討してみましょう。

土踏まずの役割

土踏まず(内側アーチ)とは、人間の足の裏にあるアーチ形状です。

無題

アーチは片足に三箇所(厳密に言えば四箇所)あり、前後左右へ動きやすくし、不整地や斜面で姿勢をコントロールするのに重要な働きをします。

また、アーチ形状がバネのように作用することで、足にかかる衝撃を緩和させる役割があります

土踏まずのない足「偏平足」では、この緩衝作用がないので地面からの衝撃を強く受け、脚の障害につながってしまいます。

足の発達

生まれたばかりの子供に土踏まずはありません。立って歩くようになってはじめて土踏まずは形成されます。

土踏まずがどれぐらいできているかを判断する方法を紹介します。

Hライン

Hline

足の内側を結んだ線と外側を結んだ線の交点と足の人差し指を結んだ線をH-Lineといいます。

土踏まずがH-Lineより小指側にあるかないかで扁平足かそうでないかを判定します。

3人の息子たちの足型で見てみましょう!

左から三男(4歳 両足)次男(6歳 左足)長男(8歳 右足)

4歳の三男はまだ土踏まずがH-Lineを超えていません。次男と長男はH-Lineを超えていますが、長男の方がハッキリとH-Lineを超えて土踏まずができている事がわかります。

Nライン

土踏まずを中心に見てきましたが、最初に説明したようにアーチには外側のアーチもあります。それを評価する方法がN-Line

Nline

N-Lineよりも親指側に外側アーチがあれば、アーチが形成されていると判断します。

長男(8歳)もまだ外側アーチがはっきりとはしませんね。

(アーチの評価にはY-Lineなど他の方法もあります。)

何歳ぐらいで土踏まずが形成されるのか?

1974年の少し古い研究ですが土踏まず形成率が報告されています。

3 歳(男40%,女32%)

4 歳(男26%,女48%)

5 歳(男62%,女59%)

6 歳(男38%,女22%)

7歳(男71%,女56%)

8 歳(男65%,女90%)

9 歳(男80%,女87%)

浅見高明(1974):接地足蹠の発達に関する研究,東京教育大学体育学部スポーツ研究所報

少年サッカーにおけるアーチ形成

成長期のサッカー選手のアーチに関する研究では、13歳頃までアーチの形成が未発達で、特に軸足にアーチの崩れが多いという報告があります。

参考:成長期サッカー選手の内側縦アーチの横断的変化 広瀬 統一 東京女子体育大学

土踏まずの形成率については、報告にばらつきがありますが7~9歳で形成されるという報告が多いです。

つまり、子供たちの足は9歳頃までは衝撃を吸収する機能が弱いという事です。

スパイクの衝撃

スパイクは、靴底全体の面積に対して、地面に接する面積が小さいほど、強い突き上げ感があります。

子ども用の一般的なスパイクで、足(片足)の面積全体の1/9くらい、トレーニングシューズでは1/4くらいだそうです。

子どもの体重を30㎏、足底の面積を約120cm2すると、足に掛かる圧力は、

裸足の場合:0.25kg/cm2

トレーニングシューズの場合:0.50kg/cm2

スパイクシューズの場合:2.3kg/cm2

2.3kg/cm2圧力とは、厚さ6mm、面積1m2の鉄板を約15㎝変形させてしまうほどの力です。

参考:S-pulse official brog

足への衝撃が強い事で起こる障害

Sever病(シーバー病、踵骨骨端炎)

シーバー病は踵骨(かかとの骨)の炎症です。

ふくらはぎの筋肉と足の裏の筋肉が、発育中の未熟な踵骨の接着部を引っ張ることで、運動の活発な小児(通常9~14歳)にシーバー病が発症する可能性があります。繰り返される、地面からの強い突き上げも原因になります

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Jones骨折(第5中足骨疲労骨折)

 第5中足骨疲労骨折は、サッカーなど素早い動きを繰り返して行うスポーツの競技選手によく発生します。日本人に多いと言われています。

 疲労骨折は、日々のトレーニングで骨への負担が蓄積した結果として骨が脆くなってしまい、通常では骨が折れないような軽い捻挫や片脚で踏ん張るなどの動作の際に、骨が折れてしまいます。

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まとめ

今回のテーマはスパイクをいつから履くか?という事です。その答えについてまとめていきましょう。

①足には3つのアーチがあり、アーチは足への衝撃を緩衝する。

②アーチが形成されるには7~9歳頃までかかる。

③スパイクは足への衝撃がトレーニングシューズの4.6倍

④足への繰り返される負担は疲労骨折などの障害を招く

他にも、日本では土のグラウンドで練習する事が多く、芝の上の場合と比べてスパイクとトレーニングシューズの差があまりないという事。

これらの事をふまえて「スパイクはいつから履けばいいですか?」という質問には

「小学校低学年の間は、土踏まずができてないからスパイクを履くと足への負担が大き過ぎるので、4年生になってからにしましょう。普段は土のグランドで練習してるし、芝の時以外は6年生までトレーニンングシューズでも充分ですよ。」

こんな感じで答えて頂ければよいのではないでしょうか。

子供たちを怪我から守る為に、チームでのサッカーシューズの考え方を1度検討して頂く機会になれば嬉しいです。

参考記事

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コメント

  1. […] 細かいことは書きません、特に子供のスパイクに関しては他のブログなどを参考にしてください。 […]

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